ゆっこのお宝メモメモ

思わずメモメモしたくなる主婦のひとりごと日記です

貼付けタイプの鉛で解決!グランドピアノの重いタッチを軽めに調整する方法

ピアノを弾かれるみなさん、ピアノのタッチが重いと感じて弾きにくいなと思ったことはありますか?

私は子供の頃は家ではアップライトピアノで練習、ピアノの先生の家ではC3クラスのグランドピアノでレッスンを受けていました。子供の頃はタッチが軽いとか重いとか特に感じたことはありませんでした。自宅とピアノの先生の家のピアノ以外で弾く機会は、学校の音楽室や体育館のピアノ、たまにある発表会のピアノぐらいです。

大人になってから、自宅では電子ピアノで練習、先生の家でグランドピアノでレッスンを受けていました。それ以外にも、ヤマハの教室でグランドピアノの練習室をレンタルしたり、ホールのスタンウェイを借りたりするなど、いろいろなピアノに触る機会が増えました。タッチの違いを感じるようになり、このピアノは重いなとか、軽すぎるなとかいろいろ思うようになりました。

自宅の一室を防音室にリフォームすると同時にグランドピアノを買うことになり、中古のGC1SというC1クラス機種のヤマハのグランドピアノを購入しました。試弾したときは少し重めのタッチかなと思っていましたが、そこまで気になる重さではなかったのですが、1年ぐらい経つと少し違和感を感じるようになり、ピアノのタッチ調整を行った経緯を記事にしたいと思います。

ヤマハのグランドピアノGC1S

テクニックのせい!?自宅のピアノではハノンやツェルニーが速く弾けない現象

大人になってピアノを再開して数年はハノン、ツェルニーは全くやっていませんでしたが、ピアノの先生が変わり、ハノンとツェルニーをやることになり、子供の頃に持っていた楽譜を引っ張り出して練習をすることになりました。子供の頃はすらすら弾けていたのに、大人になったら、粒はそろわない、特に左手は指がまわらないの散々な感じが、1年くらい続きました。

グランドピアノを購入後も、指のまわらなさはあまり変わらなかったのですが、ドホナーニを使った練習をするようになってからは、動きに改善が見られ、ピアノの先生のところでは、スピードを上げてスラスラ弾けることが多くなりました。

でも、家のピアノではなぜか先生から指定された速さでは弾けない・・・、指や腕(特に左手)が疲れると悩み、ピアノの先生に相談したところ、「タッチの重さは変更できますよ」とアドバイスを頂き、早速調律師さんに相談することにしました。

初回は通常調律の範囲でタッチ調整

ピアノを購入した楽器店に所属する調律師さんにピアノはすべてお任せしており、タッチを軽めにしたいと相談をしました。まずは、調律と一緒にできるタッチ調整をしてみますということで、来て頂きました。

費用も通常調律の料金内でやってもらえるとのことで、時間だけ2~3時間かかりますと案内されました。調整方法について説明をして頂きましたが、技術的なことはあまりわからなかったので、ブログでの説明は省略しますが、調整後、心なしか軽くなったような気がしたので、とりあえず様子を見ますということで、初回のタッチ調整は終わりました。

ただ、1週間練習して、やはりタッチはそんなに変わっていないような・・・と思い、自分のタッチが重いのか軽いのかを調べる方法がないかネットで調べてみることにしました。通常は分銅を使って調べるようですが、一般家庭に分銅がある家はほとんどないと思うので、10円玉で代用するようです。下記のサイトによると、ダンパーペダルを踏んだまま、重ねた10円玉を使って、鍵盤の上に載せ、ダウンウェイト(鍵盤の下がり)とアップウェイト(鍵盤の上がり)を調べると書いてありました。早速、やってみましたが、ダウンウェイトは10円玉を11枚重ねても全く下がる様子なし、アップウェイトに関しては問題なく上がってきました。なお、10円玉を重ねるときは、マスキングテープなどで留めて10円玉をまとめるとバラバラにならずにやりやすいです。

www.piano-tokyo.jp

この結果をもとに再度、調律師さんへもう少し軽くしたいと相談メールを送りました。

2回目のタッチ調整でも改善せず、3回目で貼付けタイプの鉛でタッチ改善

調律師さんにメールをする前にネットでタッチを軽くする方法について自分でもいろいろ調べてみたところ、下記のサイトで「タッチレール」というツールを使ってタッチを軽くする方法や、キャプスタンをヤマハの純正品からスタンウェイの純正品に変更し、鍵盤に鉛を追加するといったものを見つけました。

www.piano-tokyo.jp

www.piano-tokyo.jp

調律師さんに上記の方法などで改善をすることは可能か聞いてみたところ、タッチレールの取扱いはしていないので、こちらに関しては対応不可ということで、もう一方の方法については社内で他の技術者と相談の上、改善方法を提案しますということで返信がありました。

数日後に調律師さんから返信があり、まずは「アクションの動きを確認し、問題があればそちらを修理し、すべての鍵盤に調整を行ってタッチ改善を試みる」という連絡でした。ただ、この方法で改善するかはわからないため、費用については出張料のみで対応しますと言ってくださいました。もし、こちらの方法で改善しない場合は、「貼付けタイプの鉛」を追加して、タッチ改善をしてみるということで、2回目の調整時にサンプルを一緒に持ってきてくれることになりました。

2回目の調整は合計4時間ほどかかり、作業をしてもらいました。調整後、少し軽くはなったような気がしましたが、サンプルで持ってきてもらった貼付け式鉛を試しに鍵盤の上においてもらって、タッチを確認することもやってみました。鍵盤がすっと下がった感じがしたので、やはり、貼付けタイプの鉛を追加して、再調整をお願いしたいということになり、3回目の調整を後日やって頂くことになりました。なお、直接、鍵盤に穴をあけて鉛を追加する方法は、ダウンウェイトが軽くなっても、アップウェイトが重くなり、鍵盤の戻りが遅くなる可能性があって、弾きにくくなるケースや直接穴をあける作業は改造となるため、将来万が一ピアノを売却することになったときに査定が下がる恐れがあるので、お勧めしないということでした。その点、貼付け式鉛は、取り外しが可能なので、万が一タッチが希望の軽さにならなくても、元に戻せることや位置を変えることができるので、便利ということです。キャプスタンの変更に関しても、必ずしもタッチが軽くなることに影響するわけではないので、一旦はやらないほうがいいということで、説明がありました。

ちなみに鉛を追加すれば軽くなるというのは、シーソーの原理と同じで、シーソーの端に座ったほうが、反対側がポンと軽く上がるのと同じで、ピアノの鍵盤も同じような感じです。

貼付け式鉛は取り寄せになるということで、入荷に約1週間ほどかかり、そのあとすぐに取り付けに来てもらいました。タッチ調整といっても、鍵盤ひとつひとつに調律師さんと話し合いながらやっていると、時間がいくらあっても足りなさそうなので、まずは標準的な重さと言われるダウンウェイトになるようにしてもらいたいということで、分銅で測りながらの作業をお願いしました。まずは鍵盤の表面に鉛を仮置きしてもらい、そこから私がもう少し、ここは軽くしてほしいといった希望を伝えて、鉛の置く位置や個数を変更してもらいました。鉛を追加すると、アップウェイトが重くなり、鍵盤の戻りが悪くなることがあるので、アップウェイトの重量も確認してもらい、そちらも問題がなさそうだったので、鍵盤の裏に鉛を貼付けしてもらう作業に入ってもらいました。

取り寄せしてもらった鉛は、1セット90個ぐらい(正確な数は忘れました)です。鉛を追加した場所は、高音域のダンパーがない部分と左から2~3鍵分を除き、低音から高音までダンパーのある箇所はすべて鉛を追加してもらいました。高音域のダンパーがない部分は鉛を追加しなくても軽めのタッチなので、追加の必要がありませんでした。また、低音域の2~3鍵分の鉛を追加しなかったのは、他の低音域のタッチがかなり重めだったこともあり、1つの鍵盤につき鉛を2個置いた箇所もあったので、鉛が足りなくなってしまったという理由です。ただ、その部分は一般的に弾く可能性がかぎりなく低い鍵盤なので、鉛がなくても問題ない場所です。鉛の貼付け箇所は鍵盤の手前部分以外のところで、ある程度好きな位置に置くことができますが、私のGC1Sはサイレント機能がついていたため、それらの電装部品にひっかかる場所は取り付けが不可だったので、多少の制約はありました。作業時間は約4時間かかりました。

貼付けタイプの鉛は↓のような感じです。 piano-tuner.blog.ss-blog.jp

貼付け式の鉛を追加してもらってからは、タッチが以前よりも軽くなり、ハノンやツェルニーの速度の速い練習もあまり苦ではなくなりました。また、指や腕の疲れも軽減されて、弾きやすくなったと感じます。ただ、ピアノの先生のところにあるC3クラスのピアノよりはちょっと重いかなと・・・。でも、このことを調律師さんに話すと、ピアノの構造が違うので、C3と同じタッチは難しいですと言われました。(当たり前と言えば当たり前ですが・・・)

購入時のタッチ確認はハノンやツェルニーで弾いてみることも重要!?

アコースティックピアノはやはり個体差があるので、同じ機種でも、タッチが重いものもあれば、軽いものもあるそうです。新品のピアノだと、試弾したピアノがそのまま自分の自宅に来るわけではないので、参考程度となる可能性があります。

ただ、中古ピアノを買う場合はその場で試弾したピアノがそのまま自分のピアノとなります。私自身、中古グランドピアノを購入した際に試弾で使った曲はショパンやリストのゆっくりめの曲でした。他のピアノと弾き比べたときに少しタッチは重めかなと思いましたが、一番最初に気に入ったピアノは先に他の方が契約してしまったこともあって買えなかったのですが、購入したGC1Sも、とても気に入ったので、購入に至りました。タッチに関しても、これぐらいなら大丈夫かなという感じで、あまり気にしていませんでした。

最初から自分の理想のタッチに出会うことが一番ですが、なかなかそうは行かないこともあるかもしれません。試弾は自分の好きな曲だけでなく、ハノンやツェルニーといった指練習になる曲を持っていくと、タッチの重い、軽いはわかりやすいと思います。もしくはモーツァルトみたいな粒を揃えて速く弾くような曲もおすすめです。もし購入したいと思ったピアノのタッチが少し重いと感じたら、購入前にタッチ調整はしてもらえるか聞いてみるのも良いかもしれません。