マンションにグランドピアノを置きたいということで、防音室をつくるための人生をかけた一大プロジェクトが始まります。 まずは業者を探すための情報集めから開始することとなりました。お金がかかる!絶対に失敗はできない!など、とりあえず不安に押しつぶされそうな日々がここから始まります。
今はネットが発達していますので、ありとあらゆる情報はネットで調べられますが、この時代においても、一番安心度が高いのが、信頼できる知り合いの口コミだと思います。なので、知り合いで防音室を作ったことがあるという方がいたら、その方に話を聞くというのが手っ取り早いと思います。信頼できる人の口コミなら、まず失敗する可能性は低いと思います。でも、私の知り合いで防音室を作ったことがある人は誰もいませんでした。なので、ひたすらネット検索での情報集めに頼ることとなります。
複数社の見積を必ずとるべし!
ネットでは、「防音室 ピアノ」「防音工事 おすすめ」「防音工事 業者」などなど、ありとあらゆるワードで検索して、業者を探しました。 検索結果を見ると、さまざまな業者が出てきますが、見積は複数業者に依頼することが成功の秘訣です。ネット検索の上位に表示される業者から誰かの口コミで評判が良いと名前が上がっていた業者まで、複数問合せをしました。
複数業者に問い合わせすることで、だいたいの相場や適正価格がわかります。また、見積の段階での担当者の対応などもわかるので、信頼できそうかといった判断材料の一つにもなります。
私の場合、問合せは11社に行い、そのうち、見積書を頂いたところは10社(うち1社は自分でできるネットの簡易見積もり)でした。9社の見積もりは正直多すぎるかな?とも思いましたが、周りに防音室を作ったことがあるという知り合いもおらず、ネットの情報だけに頼るしかなかったため、ひとまず問い合わせできるところは可能な限りして比較してみようと思いました。見積をとる作業はそれなりに大変ですが、見積書は基本無料ですので、気になる業者にはすべて問い合わせしてみましょう。
ちなみに楽器演奏を目的とした防音室を作る場合、音楽用の防音工事の実績がある業者を必ず選びましょう。防音工事と言っても、いろいろあります。音楽や楽器演奏に精通していない業者を選ぶと、期待する遮音性能が出なかったりするので、注意が必要です。
見積に必要なものと実際の見積金額
見積に必要なものは、リフォーム業者の問い合わせフォームから送るときに項目として記載されているので、基本それに従って入力していけばOKです。また、詳しく書いていない場合でも、見積をしたいとメッセージを送ると、担当者の方から、こんな情報が必要だから送ってくださいと返信が来ます。
では、一体どんな情報が必要かと言うと・・・
- 部屋の間取り&広さがわかる図面(防音室にしたい部屋はどこかも伝える)
- マンションor戸建て?
- 自宅周辺の環境(大通りに面している、閑静な住宅街など・・・)
- 演奏する楽器の種類、演奏する音楽のジャンル(ピアノならサイズも)
- 演奏する時間帯
- 建物の仕様(築年数、使用している建築資材など)
- 部屋の写真(あれば良い程度)
などなどです。建物の仕様は資料がなくてわからなければなくても見積は可能です。マンションを例にすると、スラブ厚や壁の厚みがわかると、遮音性能の評価をするのに参考になります。スラブ厚とは、鉄筋コンクリート造の建物における床の厚みのことです。他にも窓の作りや床が直床なのか、二重床なのかで工事に違いが出てきます。細かなことがわかると、机上の見積も正確性が増すので、わかる情報はなるべく伝えるようにするのが良いです。
私のマンションの場合は、築10年程度、6畳部屋で、周辺は住宅街、演奏は23時頃までクラシック曲をグランドピアノで弾きたいということで希望を伝えました。これらの情報で見積をとったところ、最安価格250万円、最高価格500万円でした。どちらも税込です。一番多い価格帯としては、300万円前後でした。
候補の業者には現地調査を依頼!!
見積を取ったあとは、現地調査に来て頂くことになります。図面等の情報による見積は、あくまで机上の話です。間取りの図面に記載されている寸法は手抜き工事などがない限り、大きな誤差はありませんが、実測すると多少の誤差があるというのが普通みたいです。このことはリフォームをするにあたり、初めて知りました。他にも部屋の詳しい状態を確認してもらうことで、最終的に正確な見積を出すことができるため、現地調査は必須です。
現地調査は無料でやってくれるところがほとんどです。私が見積をとった中には1社だけ、見積金額の数%を現地調査代として請求するというところもありました。
といっても、見積をとった業者に全部来てもらうのは大変です。私は見積をとった10社の中から現地調査をお願いしたのは4社です。どういった観点で業者を絞り込みしたかお話したいと思います。
予算に合うか
どんなに性能が良い防音室を作ってくれると言っても予算に合わなければ無理な話です。 大幅に予算を超えるところは現地調査に来てもらっても、そこから予算額に合うほど価格が下がることはないと思い、候補から除外しました。現地調査で逆に値段が大幅に下がるようなら怪しいですし、机上の見積がいい加減という判断にもなると思います。
支払い条件が適切か
リフォーム工事となると、高額な費用になります。私が見積を依頼した業者の中にはいませんでしたが、着工前に契約金と して工事代金の80%を請求するようなところもあるそうです。一般的には、前金50%、引渡し後に残金50%が多いようで す。前金に80%を要求するところはなかったのですが、見積から1か月以内に契約したら割引する、前金を50%より多く払っ てくれたら〇%割引するなどといった業者はいました。割引はありがたい話ですが、こういう大きなお金が動くとなると契約 を急がせたり、先に多く払うことで割引に応じるとなると、その業者の資金繰りにちょっと不安を感じます。 なので、そういった業者は候補から外すことにしました。
会社や担当者が信頼できそうか
何をもって信頼できると判断するのは非常に難しいですが、まずは口コミを調べることです。ネットの口コミがすべて正し いとは限りませんが、口コミを見て、不安を感じるようであればその業者は避けたほうがいいと思います。 あとは、メールや電話でのやりとりで、担当者が話しやすいかどうか、こちらが質問したことにしっかり答えてくれるかな どがポイントになると思います。他には、業者が建設業の登録をしているかというところも重要だと思います。防音室の工事 自体は建設業の登録がなくても工事が可能だそうです。建設業の登録をしていないから悪い業者というわけではないと思いま すが、トラブルを避けるためにも建設の専門知識がある業者に頼むほうが安心だと思います。
ちなみに机上の見積をせずに、最初から現地調査をした上で、見積書の提示をさせてくださいという業者もあります。私が現地調査をお願いした4社のうち2社はそうでした。ただ、現地調査後に大幅な予算外の金額を提示されても、お互いに無駄足に終ってしまいます。なので、細かい明細は現地調査後でよいので、ざっくりした概算金額だけは教えてくださいと電話やメールで回答をもらい、こちらの希望予算に合う範囲かどうかだけは先に確認して、現地調査をお願いしました。
次回記事では、現地調査の内容について書きたいと思います。